山ちゃんブログ

地震によるブロックの倒壊について

大阪府周辺にて大地震が発生しました。被害にあわれた方々にはお見舞い申し上げます。
ブロックの下敷きになって亡くられた方もおりご冥福を申し上げます。

外構・エクステリア業界に携わる一人としてブロックについてお話をさせていただきます。

何が悪かったのか?

小学校のプール際の3mほどあるブロックが倒壊し女の子が下敷きになって亡くなられたとのこと。

大変痛ましい出来事でありご家族及びその周囲の方々にはお悔やみ申し上げます。

私がニュースで聞いた話によると、40年ほど前に作られていたということを前提にお話をさせていただきます。

まず大前提が公立の小学校で起きたということ。

2m近くあるコンクリート擁壁の上にブロックをさらに8段。1.6m積み上げていますが

よく市(公共)の仕事でこんなことができるものだと目を疑ってしまいました。

市の工事でしたら専門部署からの発注であり、こんな工事はたとえ40年前でもあり得ません。

工事を発注した市の責任は相当重いように思われます。

問題となる点は

そもそも論として、ブロックの増し積がNG

控えブロック3.4m間隔も無し。高さの2.2m以下もNG。

という設計的な問題。

既存の擁壁に打ち込む鉄筋が短すぎるように思われますが

40年前では樹脂アンカー(ケミカルアンカー)はほとんど復旧していなく

打ち込み式アンカーでの施工と思われます。

中には打ち込み式鉄筋を使うのがもったいないので

穴をあけてそのまま鉄筋を入れるだけという荒業もありました。

こちらでは既存のコンクリート擁壁には5cmほどしか深さが入っていません。

上につながっている鉄筋40cmほどと考えられますので

1.6mの高さのある上のブロックが揺れれば5cmでは耐えられないということは

普通に考えても理解できるように思えます。

40年ほど前と言えば、職人さんの強い時代。基準はあっても自分たちがやりやすいようにやる方と、

こだわりを持った職人魂にそそぐ仕事をしている方という頃だったようにも思えます。

倒壊した写真を見る限り横の鉄筋は40cm間隔。縦の鉄筋は80cmのように見られ

一般的な横60cm(基準では80cm)間隔よりかは施工された方の気遣いがされているようにも感じられました。

ブロックは危険?

ブロックは決して危険なものではありません。

ブロック=危険 という風評被害が出ていますがそんなことはありません。

但し作り方を間違えると危険なものと豹変しますのでしっかりとした知識が必要となります。

ブロックは、ブロック塀と言われるように、塀の一部です。

土が接する場所では使用されるものではありません。

土に接する場合【型枠ブロック】 を使用します。

概略
高さ 基礎の作成方法、控え壁の有無により、最大高さは2.2mまでと決まっています。
厚み 建築基準法では100mm 協会推奨では120mm 高さ2~2.2mでは150mm。
鉄筋 控え壁が無い場合1.2m以下で縦に800㎜間隔 1.2mを超える場合縦に400mm間隔(太さD10の場合)

   横は800mm間隔

   ブロック内で継ぎ足してはいけない。
控壁 端部より800mm以内。3.4m以内。長さ400mm以上。

その他多様な決まりごとがあります。

【型枠ブロック】

一般的なブロックは正式には空洞ブロック呼びます。 上から見たら穴が3つ開いているものです。

型枠ブロックは文字通りの枠であり、ブロックとブロックをつなぐH型にもう1本横板がついているようなものです。

こちらの場合は空洞が無くすべての箇所にコンクリートが充填されますので強固なものとなります。

控えブロックの必要はありませんが、内側の縦と横の入隅にハンチと呼ばれる斜辺や補強基礎がさらに必要となります。

詳細はお尋ねください。

対策は?

外部からの視線を隠すためのもの【目隠し】(建築用語としてこれを目隠しと呼ばれています)

を行うためのブロックのようでしたので、今なら【目隠しフェンス】という視線を遮るものが多くあります。

高さ1.6mであれば内部に耐えうる基礎を作りその上にフェンスを作るということになります。

既存の擁壁の上にフェンスの作成もできますが、穴をあけてフェンスの柱を立てた場合

フェンスの柱と擁壁の厚みとの関連で 擁壁上部に柱を立てることは好ましくない場合が多いです。

一般的に1.6mのフェンスでしたら柱の太さは6cm角。

柱の対角で8.5cmの場合穴あけは約10cm。擁壁の厚みが15cmとすると

穴あけをした残った壁の厚みは2.5cmずつとなり、すぐに割れてしまう恐れがあります。

風圧を大きく受ける目隠しフェンスでは風の影響から埋め込んだ柱が耐えられなくなり柱が折れたり曲がったりしますのでフェンスが倒壊する恐れがあります。

擁壁の壁の厚みがある場合でしたら大丈夫。。。とも言い切れませんのでお願いする際に調査をしてもらい確認してみましょう。

目隠しフェンスは1.2m以下でしたら12cmのブロックの間に柱を立てても保持される。

というフェンス販売のエクステリアメーカーの話があります。(公にはブロックの上ということを記載していないことが多いです)

1.2mより高い場合はブロック上ではなく地中にそれなりの大きさの基礎を作成するということが前提となります。

例えば高さ2mの目隠しフェンスを作成する場合、60cm×60cm×深さ80cmの大きさの基礎が必要となることがあります。大きさは一例であり各メーカーカタログ掲載されていますのでご確認ください。

フェンスやカーポート等組立が得意な会社はスコップを使って穴を掘るのが苦手ということもあり基礎を小さく作ることもありますので、発注される場合は基礎の大きさはどれぐらいですか?とカタログを見せてもらいながら確認するのが良いでしょう。

横浜市「まちの避難経路」危険ブロック塀等改善事業

横浜市では 横浜市「まちの避難経路」危険ブロック塀等改善事業

というものがあり助成金が出ることがあります。

手続きに多様な書類が必要となりますので

詳細は 横浜市のホームページ 

にてご確認ください。

Yamasoでも取り扱っておりますが、詳細までの説明は困難ですので

横浜市都市整備局防災まちづくり推進課 までお問い合わせください。

ブロック塀診断士

日本エクステリア建設業協会による 【ブロック塀診断士】 という資格があります。

上記の項目などをさらに詳しく診断士、診断書の提出を行います。

Yamasoスタッフでも3人の有資格者がいますのでブロック診断が行えます。

ブロック診断には費用が有します。無償では行いませんのでご了承願います。

現時点では実際どうなのか?

外構工事は工事をする方の意識に基づくものが多分にあります。

土地・建物販売の不動産系や住宅専門のハウスメーカー。工務店等でご依頼される場合、担当の方が外構工事まで把握しきれていないのが実情です。

先日、目隠しフェンス工事をするのに、現場監督の方が手伝っていましたが基礎の大きさが小さくブロックも細く、高さ1.8m。という現場を目にしました。 

外構屋さんがやるんだから大丈夫でしょう。ということのようです。

外構会社の中でも造成系、公共系、ハウスメーカー系、一般個人系などの会社の分野がありますが、一般エンドユーザー(個人直接の依頼)会社であるYamasoでは毎回違ったお客様の要望や考え方のある中で日々お客様に育てていただいております。

神奈川県内でもエンドユーザー100%をいち早く打ち出しており、また自社施工スタッフでの工事を行っていることから安心してお任せいただいております。

エンドユーザーに強い会社は、すべての工事の責任を負う会社ということになります、変な仕事はできません。

一時的な儲けよりも将来的な手直しをなくすというのが会社運営の基本となります。

元請けでやりたいからという安易な会社もありますので

ある程度エンドユーザーでの仕事に実績のある会社を選ばれることが良いでしょう。

TV等を拝見していますが、一部コメンテーターの適当な解説もあり誤解を招いていることがあります。

実際にお客様と向き合って、提案する者、工事をする者は作った後のことまで考えて行っております。

これからオリンピックで景気上昇とともに仕事量が増えると悪質な会社も出る恐れがありますので、信用のおける会社、専門店にお声掛けください。

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