横浜市ブロック塀改善事業 令和6年度版 補助金申請は12月末まで わかりやすいブロック塀改善事業の手引き、方法
令和元年(2019年)より始まりました横浜市のブロック塀改善事業。
道路面に面した危険なブロック塀を直すと横浜市より補助金が出ますという趣旨の物ですが、年数も経過し件数が減少しております。
横浜市ブロック塀改善事業の推移
横浜市全体で通学路沿いのブロック塀約5500か所について調査を行ったところ、塀の高さ、控え壁の不足、劣化具合の状況から改善の指導対象となったものが約2500か所。港南区では165か所ありました。
一昨年度より補助金をアップし改善しやすいようにしておりますが、まだまだ危険なブロック塀が多くあります。災害を減らすためにも是非お検討お願いします。
事前相談受付は10月31日まで
危険かな?補助金もらえるのかな? と疑問を持たれた方は横浜市へ事前相談を申し込みましょう。
上記の種類を記載しまして、FAX 045-663-3255 又は メール:kc-block@city.yokohama.jp
にて送付お願いします。
補助制度の概要
(1)対象エリア
横浜市全域
※「狭あい道路拡幅整備事業」の対象となる場合は、「ブロック塀等改善事業」は原則利用できません。
狭あい道路整備促進路線の後退用地のブロック塀の撤去や移設については狭あい道路担当(電話:045-671-4544)にご相談ください。
と記載があります。狭あい道路の対象かどうかを調べるには
iマッピー 横浜市行政地図情報提供システムを開きます。
左記のような色のついたラインの表示となります。
こちらで青色の縞模様の入ったラインの道路が
【狭あい道路整備促進路線】となります。
こちらの道路の場合はブロック塀撤去だけではなく、
セットバックにする際の樹木撤去費用など複合的な補助金がありますので別途ご相談となります。
(2)対象ブロック塀等
原則として、以下のア~ウ全てを満たしているもの
ア 道路等(※1)に面していること。
イ 高さ1m以上のブロック塀等(※2)であること。
ウ 地震時に倒壊するおそれのあるもの。(※3)
※1「道路等」とは、道路法の道路、建築基準法第42条に規定する道路又は第43条第2項の規定にかかる空地、その他これらに類するもので市長が認めるもの。
※2「ブロック塀等」とは、コンクリートブロック塀、コンクリート製の塀、石積塀、万年塀その他これらに類する塀。
※3事前相談を受けた後、市職員又は市が委託する専門家が現地を確認し判定。
と記載されています。
隣地境界ブロックは対象となっていません
ブロックをブロック塀と呼んでいますがこちらは 塀とは道路や隣地を隔てる壁のようなものであり、敷地の高低差を解消するためのブロックは、ブロック塀とはならず、ブロック造擁壁。ブロックによる土留めとなります。土留めと塀では考え方が異なりますのでご注意ください。
あくまでも土に接していない部分で道路から高さ1m以上のブロック塀が対象となります。
土に接している部分で1m以上の高さがあり危険と思われる場合は横浜市のがけ地減災対象工事助成金
2m以上の場合は横浜市崖地防災対策工事助成金制度
をご参照ください。
どちらに当たるか不明な場合でも担当部署は横浜市建築局企画部防災課 となりますのでお問い合わせください
TEL 045-671-2930 FAX 045-671-3255メール kc-block@city.yokohama.jp
要約すると、高さ1m以上で道路に面しているもの。
ブロック塀ではなくても、コンクリート製の塀(RC擁壁でも可。石積み、(丸石積み、ガンタ石積み)。万年塀など。道路に面し重くて倒れた場合に通行人が大けがをする恐れのあるものということになります。
1補助対象となる工事
施工業者は、市内に本社のある事業者から選定してください。
除却:道路等に面するブロック塀等を原則全て除却する工事
新設:ブロック塀等の除却とセットで行う、軽量なフェンス等(※4)(※5)又は生垣の新設工事
※4幅員が4m未満の道路等の場合、軽量なフェンス等又は生垣を新設する費用は、原則補助対象外です。
※5「軽量なフェンス等」とは、ネットフェンス、アルミフェンス、その他これらに類する塀。
横浜市より事前調査が行われた後に回答書が届きます。
回答書には報告書図面や工事イメージ図が同封されます。
回答書、報告書、イメージ図は現在の状況を記載した書類が入っています。
図面の赤色部分が補助金対象の部分となります。赤色部分の下部網掛けブロック塀は土に接している部分となります。
土に接している部分は土留めという扱いとなります。
土留めに関しましては今回の補助金の対象項目外となります。こちらはがけ地減災・がけ地防災事業となりますので詳しくは横浜市へお問い合わせ下さい。
補助金はあくまでも目安ですので、全部を行わなかった場合は減額。フェンスを行った場合は増額となり工事終了後に最終決定されます。
また図面記載中のパターンA、Bなどの記載がイメージ図での対象となります。こちらを参照にフェンスを行った際の補助金が対象になるかどうかの参照となります。
回答書受領後の補助金交付申請は12月末までに
2 補助額
昨年度と変更となった点として 補助金額がアップしました。
ブロック塀の除却1mあたり 9000円→13000円
生け垣を設置する場合1mあたり 3000円→13000円
工事の上限額 一律30万円が
10m未満:30万円
10m~20m未満:40万円
20m以上:50万円
上記変更となりました。
提出書類に関しては昨年と同様です。
どのようなブロック塀が危険?
日本建築防災協会より出されていますパンフレットです。
1 塀は高すぎないか
・塀の高さは地盤から2.2m以下か。(外の地面から2.2m以内。擁壁の上でも2.2m以内です)
2 塀の厚さは十分か
・塀の厚さは10cm以上か。 (塀の高さが2m超2.2m以下 の場合は15cm以上) 現在では12cm以上の物を推奨しています
3 控え壁はあるか。 (塀の高さが1.2m超の場合)
・塀の長さ3.4m以下ごとに、塀の高さの1/5以上突出した 控え壁があるか。
端部は800㎜以内です。
4 基礎があるか
・コンクリートの基礎があるか。
基礎の底が地面より深さ30cm以上ありますか?
5 塀は健全か
・塀に傾き、ひび割れはないか。
傾き、ひび割れが見てわかる箇所があればそのブロックは早急に改善しましょう。
<専門家に相談しましょう>
6 塀に鉄筋は入っているか
・塀の中に直径9mm以上の鉄筋が、縦横とも 80cm間隔 以下で配筋されており、縦筋は壁頂部および基礎の横筋に、 横筋は縦筋にそれぞれかぎ掛けされているか。
・基礎の根入れ深さは30cm以上か。 (塀の高さが1.2m超の 場合)
専門家とは ブロック塀診断士等を言います。
資格があっても、試験だけ受かり実践の無い方もいます。会話をする中で不安がある場合は他の専門家に相談することも検討しましょう。
もちろんYamasoはブロックに関しての専門家ですのでご相談ください。
※ブロック塀とブロックを使用した土留めとは異なります
ブロック塀とは あくまでも 【塀】 であり
土に接していない部分。を指します。
土留めとは異なります。
道路よりお庭などの敷地内が高い場合にブロックで積まれていることもありますがこれは土留めブロックとなりますので
今回の補助金対象とは異なります。
但し、その区別が解りにくいということもあり、一昨年より幅×高さの面積での補助金から、
長さでの補助金となりました。
ブロック1段でも7段でも撤去の補助金は変わらないということになりました。
以前はC種の150mm厚みのブロックを使えば土留めでも可ということもありましたが
現在では土留め用の型枠ブロックをすることとなっています。
手続きの流れ
このブロック塀は危険かな?↓
事前相談票(ワード:32KB) の記載提出
(令和6年10月末までに受付)
↓
現地調査立ち合い
(→横浜市より委託された設計事務所・報告書の作成)
↓(約2か月)
回答書の受領
→ こちらにブロック塀の修繕範囲やおよその金額。施工方法参考例が記載されています
↓
工事会社の選定、見積書の取得
↓
補助金申請書の提出
令和6年12月末まで
(→回答書に同封されています。もしくは申請書等横浜市ホームページより)
解体のみ → 回答書の添付書類の図面に解体範囲を赤枠で囲い添付。
基礎からやり替え、フェンスを取り付ける場合
→ 施工会社より図面やカタログの取り寄せをして添付
よくわからない場合、面倒な場合は施工会社に申請の代行を依頼しましょう
(有料となります3~5万円)
↓(約6週間)
工事の実施
↓
工事完了→完成報告書の提出
↓(約2週間)
検査実施(写真提出のみの場合もあります)
↓
補助金確定通知書の受領
(→こちらで補助金額が確定となります)
↓(約2週間)
請求書、振込先の提出
↓
補助金の受領
という流れとなります。
施工業者の選定
工事会社は横浜市に本社がある会社に依頼しなければいけません。
横浜市の予算で払う補助金ですので、横浜市に税金を納めている会社ということでしょう契約金額が100万円を超える場合2社以上の見積り書の提出が必要となっています。
こちらはブロック塀改善事業に伴う金額の事ですので
例えば、家の庭や門扉もこの際に変えたい。隣地境界のブロックも一緒に直したい。
というのは横浜市のブロック塀改善事業とは関係のない工事となります。
ブロック塀改善事業の契約とは別に自費工事分の契約となるかと思われます。
公道に面したブロック塀改善のための工事の費用が100万円を超える場合となります。
複数社見積りを取ることは金額の比較や工事業者の考え方の参考にするため良いことかとは思いますがただ安いからという理由だけで決めてしまうのは危険です。
街中で行われている工事でも専門家の私が見るとおかしな工事を行っている場面が多々見受けられます。せっかく直したブロック塀が、実は危険なブロック塀だった。ということもあります。
工事会社を選ぶ際には
① 建設業許可のある会社
② 会社のホームページに、ブロックについての施工事例を書いている会社(工事中の様子があると尚可)
であれば間違いないでしょう。
建設業許可があると、年度代わりに役所や労働基準監督署への実績報告などをしなければいけないのでそれなりにしっかりした会社と捉えることもできます。
ホームページは、エクステリア・外構ではきれいに作り上げる事例が多くあります。
きれいな絵をかいてあとは業者へお任せということもありますので
その会社がどんな工事をしているか見てみるとよいでしょう。
横浜市に本社があるかどうかを見分ける方法
申請の書類
補助金交付申請の前に事前相談を行い、回答を受ける必要があります。
事前相談の申し込みから回答までには2か月程度要しますので、補助金の申請をお考えの方は注意してください。
補助金交付申請 | 補助金交付申請書(第1号様式)(ワード:29KB) 納税状況調査同意書(第4号様式)(ワード:23KB)(所有者が複数いる場合は、全員分必要) 誓約書(第5号様式)(ワード:23KB) 見積書(市内に本社がある業者のもの。) 見積もりを取得した業者の本社が市内にあることを証明する書類 除却等の範囲がわかる図面(現場調査報告書等に明示したもの) 現況のブロック塀等の状況が分かる写真(おおむね1か月以内のもの) 新設するフェンス等の整備計画図、仕様書等(新設補助の場合) 【申請手続きを委任される場合】 委任状(第2号様式)(ワード:22KB)【 ブロック塀等の所有者が申請者以外にいる場合】 関係権利者同意書(第3号様式)(ワード:23KB) ※申請書類記載例(PDF:829KB) | |
---|---|---|
工事完了後の様式 | 完了報告書(第13号様式)(ワード:28KB) 補助金請求書(第15号様式)(ワード:28KB) | |
変更が生じた場合の様式 | 【補助金の交付申請後に、申請手続きを取り止める場合】 取止届(第6号様式)(ワード:27KB) 【補助金の交付決定後に、金額や工事の内容を変更する場合】 補助金変更交付申請書(第9号様式)(ワード:28KB) 【補助金の交付決定後に、軽微な変更を行う場合】 補助金交付申請変更報告書(第10号様式)(ワード:27KB) 【補助金の交付決定後に、申請を取り下げる場合】 取下届(第12号様式)(ワード:24KB) |
見積りについて
各工事会社のお見積り書は様式や書き方が様々で、比較が難しいことが多々あります。
総額だけで見るのではなく、新規ブロックの基礎形状やブロックの厚み等を比較してみましょう。
詳細の基礎サイズ、ブロック厚みが記載していない場合は工事会社に聞いてみましょう。
横浜市からの補助金額は
ブロック塀等の除却工事 (ブロック塀を壊す費用)
工事会社の見積りの90% (1割は自己負担となります) 又は
長さ1m当たり13,000円 のどちらか低い額 となります。
(ブロック1段20cm分でも、ブロック10段2m分でも補助金の額は 1m当たり9,000円となります。)
例 ブロック高さ7段(1.4m)。6m分の場合
工事会社見積り1.4×6=8.4㎡×解体単価¥10,000/㎡ =¥84,000+税=¥92,400
補助対象額は工事費の9/10となることから ¥92,400×0.9=¥83,160
横浜市の査定額 6m×¥13,000= ¥78,000
工事額¥83,160>査定額¥78,000 より
額が低い方になることから 補助金額は¥78,000となります。
軽量なフェンス等の新設工事
新たにフェンスをつける場合工事会社の見積額の1/2(半額)又は
① 基礎を新設する場合 → 1m当たり¥37,000
例1 ブロック高さ道路より60cm以下でブロック基礎から作り直し、フェンスを付けた場合
2 フェンスの柱を独立した基礎で埋め込み、フェンスを取り付けた場合
② 既存の基礎を使用する場合 → 1m当たり¥18,000
例1 上部のみ撤去したブロックの上に穴をあけてフェンスを取り付けた場合
③ 生垣を設置する場合 → 1m当たり¥13,000
例1 ブロックを撤去した後に生垣等植栽を植えた場合①の具体例
長さ6m部分のブロック塀を撤去した後に 新たにブロック3段の上に目隠しフェンス高さ1mを取付けた場合(金額は参考価格です単価や経費率は会社により異なります)
ブロック基礎 ¥10,000×6m=¥60,000
普通ブロック3段積み ¥10,000×6m=¥60,000
目隠しフェンスH1000 ¥20,000×6m=¥120,000
合計¥240,000+経費10%¥24000=¥264,000+税=¥290,400
補助対象は工事費1/2 となることから ¥290,400の1/2 =¥145,200
工事費対象額 ¥145,200 < 横浜市補助金¥37,000×6m=¥222,000
少ないほうの数値となり、工事額の¥145,200が補助金対象額となります。
解体費用と合わせた補助金額は
ブロック塀除却¥78,000+フェンス工事¥145,200 =¥223,200 こちらが補助金の額となります。
工事イメージ
横浜市からの回答書の書類の中に 上記の図が添付されます。 その中で今回の該当する箇所が赤枠で記されますのでそちらを参照にしてください。
軽量なフェンスとは、メッシュフェンスやアルミ製の格子・目隠しフェンス。木製フェンスや樹脂フェンスも該当します。
メッシュフェンスと目隠しフェンスでは金額が10倍も異なることがあります。
がフェンスとしての補助金額はどちらを使用しても同じ額です。
危険なブロック塀を放置すると
民法第717条には第717条
- 土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があることによって他人に損害を生じたときは、その工作物の占有者は、被害者に対してその損害を賠償する責任を負う。ただし、占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしたときは、所有者がその損害を賠償しなければならない。
- 前項の規定は、竹木の栽植又は支持に瑕疵がある場合について準用する。
- 前二項の場合において、損害の原因について他にその責任を負う者があるときは、占有者又は所有者は、その者に対して求償権を行使することができる。
とされています。ブロック塀だけではなく樹木に関しても責任を問われますのでご注意ください。
熊本大地震では被害者より6800万円の損害賠償請求の裁判が行われています。
化粧ブロックの幅に注意!
上記の図はよく使用されます SBIC社 スマートC。ブロックの幅は一番狭いところが正味(有効)厚みです。
ブロック表記の120 外幅では120mmありますが 有効幅は100mmとなり目隠しフェンスや数段でも土に接する場所では危険です。
見積りを取った際のブロックの価格の違い。
安さの秘訣は正しいの知識不足。ということが無い様注意しましょう。
ブロック塀=危険ではありません!
きちんと作れば安心安全。災害を防ぐものです
ブロック塀=危険 という風潮もありますが、
ブロック塀はきちんと作れば 安心安全 災害から身を守るもの
となります。
風速60m/sでも倒壊せず
火災の時には防火壁となり熱風から身を守り、煙を遮断。
洪水では水の流れを食い止め、浸水を防ぐもの
となります。
「とりあえずブロックか何か」 ではなく
「普通にきちんとしたブロック塀をお願いします」
普通にということを強調することで、
「お宅の会社はきちんとしたブロック塀を作ることは普通にできるよね」
とプレッシャーかけてください。「え?」という会社は要注意です。
危険なブロック塀ではなく、家族を守るブロック塀を作ってもらいましょう。
YAMASOへのご依頼はお早めに
ブロック塀改善事業のご相談はお早めにお願いいたします。
年末や年度末は大変混み合い工事が順延されることも多くあります。
補助金を扱わないブロック塀改善補修積替えは随時行っております。
Yamasoではブロック塀の専門家として多くの相談をいただいております。
財務省から依頼されました神奈川県内の公務員住宅及び所有地すべてのブロック塀診断を行った実績もあり
危険なブロック塀を、安全で適正に改善を推進する会社でもあります。
また特殊・難解なケース。施工条件の悪い場所等の施工も行っています。
普通の工事は無難に。難解な工事ほどしっかりと行っています。
危険なブロックを一つでも少なくし、街の安全に寄与していきたいと思っておりますので今後ともよろしくお願い申し上げます。